救急医療の現場で働く関係者は、これからの社会の変化を予測し対策を事前に行う必要があります。
救急の医療の現状として、すでに高齢患者の増加が顕著であるのが問題です。
日本社会では高齢者人口の割合が急激に増加し、その社会的な変化に伴って患者の多くも高齢者で占められるようになりました。
緊急に医療施設へと運び込まれる高齢患者へ治療を施す場合に問題となるのが、高齢者はすでに複数の疾患を抱えているケースが多い点です。
看護師は高齢な患者に対し緊急の措置を施しながら、さらに疾患の状態を把握する必要があります。
抱えている疾患が急病の原因であったり、あるいは容態の悪化により以前から抱えていた疾患が急激に悪化する可能性が高いです。
そこで救急医療に携わる看護師は救命技術だけにとどまらず、高齢者が罹患するケースが多い病気に関する理解も求められます。
救急医療に携わる看護師が、高齢者の病気にも対応できる看護の知識を増やすと、以前は助けられなかった命も救うことができるかもしれません。
すでに医療現場では、高齢な患者の増加しつつある現状を受けて、対応力の向上のため動き出している看護師は多いです。
また救命を必要とする事態を避ける予防措置も重要な取り組みであり、高齢者の健康管理が欠かせません。
日頃から高齢者の健康に気遣い、急病の状態に陥る前に治療できる医療体制を整えることによって、救急の医療施設に運び込まれる高齢者を減らせるのです。